海外旅行保険は任意で加入しておけば大丈夫と認識していらっしゃる方が大半だと思いますが、実はヨーロッパ、特に東欧の国々では入国時の要件として一定額以上の保険加入が義務付けられている国があります。入出国時や滞在中に当局の係官から加入証明書の提示を求められ、場合によっては入国を拒否されることもあります。結構メジャーな国も含まれています。
何故、保険加入が義務付けられているの?
日本は医師法第9条によって医師の応召義務があるため、日本人であろうと外国人であろうとケガや病気にかかっている人が求めたら医療費の支払資力にかかわらず、医師は診療しなければなりません。
これは、日本では常識ですが、世界では非常識。外国ではそんなに甘くありません。国民が払った税金で外国人に医療サービスを行っていたら国の財政的にも苦しくなったしまうため、特に大陸続きになっているヨーロッパの国々では外国人に最低限の保険加入を義務付けたり、保険加入が望ましいとしています。つくづく日本は安全・安心な国であることを実感しますよね。
加入が義務付けられている国
【チェコ】
- 滞在日数をカバーするもの治療・ 傷害 ・死亡の各項目において、それぞれ3万ユーロ相当額以上の補償があること
- クレジットカード付帯の保険の場合は、補償内容が確認できる書類を持参団体加入の場合は、被保険者の氏名が明記されていること
【ポーランド】
- 事故・急病の際の治療費として滞在1日につき300ズロチ以上の補償があるもの
- クレジットカード付帯の保険の場合は、補償内容が確認できる書類を持参
【ラトビア】
- 滞在日数をカバーするもの治療・救援費用(日本への遺体搬送含む)の補償が最低3万ユーロ相当以上のもの
- クレジットカード付帯の保険の場合は、補償内容が確認できる書類を持参
【リトアニア】
- 一人あたり最低2万リスタ以上の補償があること
- 付保証明書はリトアニア語、英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語のいずれかで記載(持参していない場合は入国を拒否される場合もあり)
- クレジットカード付帯の保険の場合は、補償内容が確認できる書類を持参
加入が望ましいとされている国
【フランス】
- 滞在日数をカバーするもの
- クレジットカード付帯の保険の場合は、補償内容が確認できる書類を持参
【ドイツ】
- 滞在日数をカバーするもの
- 傷害・疾病・救援の場合、3万ユーロ相当以上の補償があるもの
- クレジットカード付帯の保険の場合は、補償内容が確認できる書類を持参
【オランダ】
- 滞在日数をカバーするもの
- 傷害・疾病・救援の場合、3万ユーロ相当以上の補償があるもの
- クレジットカード付帯の保険の場合は、補償内容が確認できる書類を持参
【オーストリア】
- 滞在日数をカバーするもの
- クレジットカード付帯の保険の場合は、補償内容が確認できる書類を持参
【デンマーク】
- 滞在日数をカバーするもの
- クレジットカード付帯の保険の場合は、補償内容が確認できる書類を持参
【ブルガリア】
- 滞在日数をカバーするもの
- クレジットカード付帯の保険の場合は、補償内容が確認できる書類を持参
【ベルギー】
- シェンゲン協定の加盟国内で有効なもの
- 滞在日数をカバーするもの
- 医療費で最低3万ユーロ以上の補償があるもの
クレジットカード付帯の保険は、ここをチェック!
円/ユーロの為替レートは大丈夫?
上記で各国が基準にしている「3万ユーロ」。一時期の1ユーロ=100円以下だった頃ならゴールドカードクラスの海外旅行傷害保険なら治療・救援費用で300万円程度が付帯されているのでカバーされていることになりますが、平均でこのレートだったのは2012年だけ、2016年末時点では1ユーロ=120円以上になっているので不足していることになってしまいます。
出発直前に付保証明書の発行依頼をすると間に合わない場合も
いざ保険加入を証明するにはクレジットカードを見せても何も証明になりません。そこで必要なのが、付保証明書や保険の契約証です。任意の海外旅行保険であれば、ネット上のマイページから印刷できたり、契約証(有料発行の場合あり)を速やかに送付してくれます。
しかしながら、クレジットカード会社に契約証や付保証明の発送依頼を行った場合、クレジットカード会社から保険を引き受けている損害保険会社に連絡し、それから発送準備を行う流れになりますので、出発直前に依頼した場合は最悪出発までに手元に届かないといったことも考えらるため注意が必要です。
利用付帯/加入付帯は要チェック!
クレジットカード付帯の保険が適用されるためには、次の2パターンの条件があります。「自動付帯」と「利用付帯」、お持ちのクレジットカードの会員規約で自分がどちらに当てはまるのか必ず確認しておきましょう。
- 自動付帯
カード会員であれば自動的に保険が付帯されること。別途の登録や手続きも必要ありません。
- 利用付帯
旅行会社のツアー代金や航空券等の公共交通機関の代金をクレジットカードで支払った場合に、その旅行期間中に海外旅行傷害保険が適用されます。
家族カード会員も対象になるの?/同行家族も対象になる?
例えば、一般カードの場合は本人のみ、ゴールドカードの場合は家族カード会員も対象になるなど、こちらもクレジットカード会社ごとに異なるため必ず確認が必要です。
また、クレジットカードによっては、「家族特約」として同行する家族も保険適用になる場合がありますが、家族全員で「治療・救援費用:300万円」となっていることもあるので要注意!クレジットカード会社のホームページにカード会員規約や保険に関する規約等が掲載されているので事前に確認しておきましょう。
補償が不足!家族だけ必要などの場合、ネット完結型海外旅行保険が便利
バラ掛け(補償のカスタマイズ)ができる任意の海外旅行保険で不足分の上乗せや家族分だけ加入すれば、保険料も節約できます。さらに、ネット完結型の海外旅行保険なら、空港で出発間際に加入するよりも保険料が半額以下になるメリットがあります。
また、ネット完結型の海外旅行保険の場合、付保証明や契約証もすぐに準備することができ、事故の際も保険会社の24時間365日のデスクに直接連絡して迅速に対応して貰えるのでいざという時も安心です。
バラ掛けできる海外旅行保険を比較
旅行プランでの販売が多い「ヨーロッパ旅行7日間」で保険料を比較してみましょう。
ジェイアイ傷害火災保険(JTBグループ):「t@bihoたびほ」
■一人あたりの保険料:1,140円(おすすめプランカスタマイズ)
※上記保険料は、年齢別リスク細分のため10~49歳の場合
■補償内容:治療・救援費用 3,000万円/緊急歯科治療 10万円/弁護士費用等 100万円/テロ等対応(日額)1万円
損保ジャパン日本興亜:「off!」
■一人あたりの保険料:1,540円(オーダーメイドプラン)
■補償内容:治療費用 2,000万円/救援費用 2,000万円
三井住友海上:「@とらべる」
■一人あたりの保険料:1,810円(タイプK)
■補償内容:治療・救援費用 2,000万円/弁護士費用等 100万円
これらの規則は予告なく変更される場合がありますのでご了承ください。
安全で快適なご旅行のためにも是非保険の加入をおすすめします。
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